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遺り言

あなたに、遺りごとを綴ります。

卓球の日

お母さん、今日は卓球に行く日だよ。

 

毎週、この日の夕方、

意気揚々とジャージに着替えて

細い体にすっかり不釣り合いになったスポーツバッグをかけ、

ヨロヨロと、それでもしっかりと地を踏みしめて歩く

あなたの背中を見るのが、

私の生き甲斐だったんだと思う。

 

この日のために、日曜から金曜まで

励まし、支え、

どうにか、炎症が起きて緊急入院なんてことにならないよう、

卓球の日には必ず卓球をしに行けるよう、

ハラハラドキドキしながら過ごしていたから、

あなたが嬉しそうにハイタッチして

「いってきます♪」と向かってくれるのが本当に幸せだった。

 

心配しすぎないよう、

近くの児童館だしと一人で行かせて、

「じゃ!楽しんできて!」と別れたあと、

毎回ガッツポーズして泣いてたの、

知らんでしょう?

 

夜に「今日はどうやった?」とメールすると、

「けっこう打てたわ♪」と絵文字付きで届く返信を確認するのが、

私の任務だった。

 

 

 

見送っていた路地は、土曜だけでなく毎日通るから、

キツイ。

 

ここを歩いてたのに。

確かに、ここに居たのに。